2006年 08月 13日
涙のパヴァーヌ〜cafeグレコ
「涙のパヴァーヌ」フランス・ブリュッヘン(リコーダー)
蒸し暑い日は、古典に限る。とくに、透明感のあるソロのものに。楽器の数が増えるに従って、厚みを増すのはイコール暑さも増してしまうもの。
私は、とくに梅雨の蒸し暑い日々などには、たいていこのあたりばかり聴く。
他はバッハの無伴奏(チェロもヴァイオリンも)や、チェンバロのが多いかな。
昨夜の激しい雷雨のあと、あたりは体感温度10℃近く気温を下げた。自然ってすごい。自然のクーラーは、あっという間に関東地方全域を冷やしてしまった。おかげで今日もその影響が残っていて、いつもよりずいぶん涼しい。
だから、今日みたいな日は、古典じゃなくてもいいのだけれど、プレイヤーにこれが載ったままだったので、聴いている。
すると突然、もう30年近くも前に一人で訪れた倉敷のグレコという名の喫茶店を思い出した。ブリュッヘンの澄んだリコーダーの音色から、コーヒーの香りと深い焦茶色の分厚いムクの木のテーブル、窓辺に飾ってあった白いブバリアの小さな花・・・、それらが目の前に浮かんできた。私が訪れた時、この曲がかかっていたわけではないと思うが。
グレコは今でもあるのだろうか。私の思い出の中にある最も好きなカフェのひとつである。
by nyoirin
| 2006-08-13 12:07
| 音楽