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カフェ本

 私は、東京の喫茶店育ちである。コーヒーが何より大好きというのも、もちろんあるのだが、「喫茶店」というものが大好きなのだ。一人で、コーヒーを飲みながら、好きな本を読んだり、思いついたことをノートに書きとめたり、外の景色や道行く人々を眺めたり、さっきのノートに今度はいたずら描きをしたり、好きな音楽に耳を傾けたり(これは私の意志ではなく、お店のチョイスに従うことになるのだが)…、なんてことをしながら、何も制約がなければ一日中だっていられちゃう。学生時代はよくしたなあ。なかでも名曲喫茶は、私の必需品だったのだけれど、今ではほとんど見かけなくなってしまった。
 最近は、こうして喫茶店で過ごすことは、めったになくなってしまった。近くに私のこうした嗜好に適したカフェがないということもある。また、一日中制約なく過ごすことが出来ないということもある。学生じゃないんだから、仕方ないよね。それに、何処かの町へ、仕事で定期的に出かけることがなくなったということもある。コンピューターとインターネットで仕事ができるようになってしまったせいだ。
 そのせいか、今では自宅のリビングの一部が、喫茶店のようになっていることに、最近気がついた。夏の大掃除のさきの、私が無意識のうちに目指していた方向が、どうやら「カフェ」だったのだ。だから、ごくたまにだが、豆を手動のミルで挽いて、ちゃんとコーヒーをいれて、お気に入りのCDをかけて、その「カフェ」化したコーナーで、本を読んだりするようになった。
 そんな中でも、まだ私は、素敵なカフェを夢想する。だから、カフェ本を見つけるとついつい買ってしまう。そのカフェのようなコーナーで、カフェ本をぱらぱらとめくり、いつかそのカフェに行ってみたいと思いながら、コーヒーをすすることが、近ごろの私のささやかな楽しみである。

 この本は、ブログで知り合った川口葉子さん(リンク・エキサイトブログのなかの「屋上者の島へ」参照)が最近出されたカフェ本だ。私の小さなカフェ本コレクションに加わった一番新しい仲間だ。この中からも、必ず行ってみたいと思うカフェがふたつ見つかった。実は、ぜひ行ってみたいカフェ・リストはどんどん長くなるばかりで、なかなか行くことができないのだが。
カフェ本_c0009212_1631857.jpg
川口葉子著「カフェの扉を開ける100の理由」/情報センター出版局¥1600
by nyoirin | 2006-10-06 16:31 | 日記

2015.4.1.より、身の回りの小確幸(小さいけれど確かな幸せby村上春樹)を見つけてつぶやきます。


by nyoirin