<   2006年 02月 ( 6 )   > この月の画像一覧

c0009212_18411370.jpg

今日の仕事中のBGMはグールド。最初の録音の「ゴールドベルク変奏曲」が入ってます。今日は、この気分。後のほうの録音のものとどちらが好きかという質問がありますが、私はいつもそれには答えられません。長い間この最初の録音のレコードを擦り切れるほど聴いてきたあと、あの伝説のゴールドベルクが出て、もちろんすぐ買って聴きました。何度も何度も聴きました。そりゃあ、比較も試みましたよ、自分の中で。でも、比べられるものじゃありません。だから、これについてはノーコメントです。

グールドのゴールドベルクを聴くと、必ず、冬の青磁色の空と冬木立ちが見えてきます。そして、それまでの人生のすべてのことが、一つひとつ思い出されるような気分になります。バリエーションの一つひとつに連れて、一つひとつ。この世に在るすべての存在に対して「然り」と言っている声を聴きます。そこでさらに「慈悲」という言葉を思い出します。そしてこの世のすべてに対して、惜しみなく注がれている「慈悲」が、実際に目に見えるように感じます。そのあたりで、フーガが聴こえて来ます。ゴールドベルクのラストに近いこのフーガに乗って「ありがとう、ありがとう」と言います。
ありがとう、あなた。ありがとう、みんな。
そうやって、すべてに「さようなら」を言えたら、と思います。そして、いつか、地続きの「あちらがわ」へ、「宇宙的くすくす笑い」の中へ、と帰っていけたら、と思います。

って、またオリオン座方面へ行ってしまったみたい。いかん、いかん。
「ただいま」です。

追記:このフーガはラスト一つ前のフーガです。何度聴いても、ここまでくるとほぼ必ず涙が出てしまいます。私には、このフーガはどうしても「今宵皆様、私のこの舞台に来てくださってありがとうございます。心から感謝を申し上げます。ですが、とうとうお時間です。お名残り惜しゅうはございますが、おいとまを言わなくてはなりません。皆様、本当にありがとうございました。それでは、みなさん、ごきげんよう」と、言っているようにしか聞こえないのです。長い演劇の最後の口上とでも言うのでしょうか。最後は本当に「それでは、みなさん、ごきげんよう」と唱っています。そして、最初と同じテーマが静かに流れてきます。
[PR]
by nyoirin | 2006-02-28 19:13 | 音楽
c0009212_112266.jpg
c0009212_1123230.jpg


 完璧にタイミングがずれてますが、日本の女子フィギュア・スケートの選手たちに敬意をこめての、二枚です。もうすぐ閉会式が始まるところだが、開会式でパバロッティーが聴けたのは嬉しかった。そして、荒川静香のフリーの曲。「誰も寝てはならぬ」---いいですねー。残念ながら彼の生は経験がありませんが、「トゥーランドット」の生はマゼール/スカラ座で聴いたことがあります。ものすごくド派手な舞台で度胆を抜かれました。そのときがスカラ座初体験だったので、合唱団のひとり一人の誰もが、全員ソリスト気分で唱っているのに感激しました。
 ラフマニノフの2番は大好きなピアノ協奏曲のひとつ。ここはやはりアシュケナージで。村主ふみえに贈りたい。彼女は国内の最終選考会のときから、とても素晴らしかったと思う。ここにきて表現力が抜群だった。フリーの演技も良かった。
 札幌オリンピックを最後に、芸術的な美しさから、どれだけ回転してどれだけジャンプできるかが勝負のポイントになってしまい、ずうっと不満に思っていた。回転とジャンプだけなら身体の軽い子どもが有利に決まっている。従って選手の低年齢化が進み、演技も幼くつまらないものが多くなった。ステップや指先への神経の使い方はおざなりになり、ジャンプとジャンプの間はただのつなぎで単調きわまりなくなった。が、このトリノで、何十年ぶりかでジャンプだけじゃないよのフィギュアを見せてもらった。荒川が文句なしの金メダルだったことが、とても嬉しい。ソルトレイクでは、選考の基準が曖昧で、残念ながら誰もが納得できる順位だったとは言い難い。だが、今回の荒川は違った。ジャンプが決まったところで歓声が上がるのは普通だが、イナバウアーをはじめ、そうではないところであれだけの歓声と拍手が起こったのは初めて見た。
 一度どん底に墜ちてから、もう一度上がってくるのには、どれだけのエネルギーがいるものなのだろう。荒川静香選手に心からの敬意を表したい。
[PR]
by nyoirin | 2006-02-27 01:38 | 音楽
 また昨日とうってかわって寒い日だ。冷たい霙まじりの雨が降っている。トリノのオリンピックのせいで、タイム・スケジュールがガタガタの毎日。仕事が押せ押せになってしまっている。そんな今日のBGMは内田光子のシューベルト。c0009212_17294976.jpg村上春樹の「海辺のカフカ」を読んで買ったニ長調のソナタだ。このCDを聴くと、自然とあたりが「海辺のカフカ」の空気に変わってしまう。私は文章表現が下手なので上手く言えないが、こういうときに感じる記憶って、鼻の奥に思い出すのだ。いつも決まってそうだ。「音楽」や「音」に基づく記憶も、「におい」に基づく記憶に近いのだろうか。それとも私の「音」の記憶が「におい」の記憶と結びついてしまっているのだろうか。それが、強いにおいではないとき、「空気」として思い出されるのだろうか。よくわからないけど、鼻の奥がいわば起点となって、あたりが「海辺のカフカ」になってしまうのだ。同じ理由で「大公」を聴いても同じことが起こる。
 そうして大島さんや中田さんや星野ちゃんが、この地平の先に今もいることを感じる。そこには今でも甲村図書館がひっそりとたたずみ、大島さんがとんがった黄色い鉛筆で何かを書いている。カフカくんはずいぶん大人になったろう。どこでどうしているのだろう・・・
 とかとか。オリオン座のあたりまでまた意識がとんでしまった。いかんいかん、仕事に戻ろう。



 昨日、ベランダのプランターに水やりをしたときに、見つけた。去年11月に植えたチューリップの球根が芽を出したのだ!やったー!全部で9個。この写真はそのうちの2個です。この冬もちょっと水やりが不足気味だったかなと、心配していたところだったので、嬉しかった。
 私は毎年冬の水やりに失敗して、今までも数多くの草花を可哀想な目に合わせてきた。今年はそんなことのないように気を配ってはいたものの、また同じことが起こるのでは?と心配だった。これでとりあえずチューリップの第一段階はクリアかな。ここで怠るとまた二の舞いだから、気を付けなければ。
c0009212_1824154.jpg

[PR]
by nyoirin | 2006-02-24 18:03 | 音楽
 「神はサイコロを振らない」を録画しておいた(2/15放送分)。観た。私のツボにはまってしまい、途中から涙を止めることが出来なくなってしまった。どうしたことか?!久しぶりにあんまり泣いたので、頭が痛くなるわ目は腫れるわで、今も大変。でも、仕事しなくちゃならないから、寝ないでがんばってる。(って、仕事してないじゃん。こんなことしてて)
 ストーリーをちゃんと説明出来ない。りょうくんのお父さん(鶴見辰吾)を見つけだし、「りょうくんが帰ってきました。あのときのままの姿で」と黛(小林聡美)が言ったところあたりからだったろうか。「あのときのまま」というのがキイワードだったのか。記憶のままの姿で戻ってきた我が子・・・。自分には10年の年月が流れてしまっている。
 必死になってりょうくんのお父さんを見つけようとした黛だが、自身は実は人生をあきらめてしまっている。その姉をはがゆく、また優しく思い見続けてきた弟菊介(武田真治)も実はピアニストになる夢をあきらめてしまっている。その菊介がピアノの蓋を開けるシーン。
 りょうくんの父親が瑠璃子にお礼を言うシーン。死んだ娘のCDを出した自分の母親を恨んでいる瑠璃子。だが、そこで初めて彼から母の本心を知らされる。
 自分も6日後には消えてしまうかもしれない運命なのに、親友(小林)とその恋人(山本太郎)をなんとかしようと心をくだくあっち(ともさかりえ)。
 もどってきてよかった、と思いたいんだ。どうしようもないことに負けたくないんだ。という山本の言葉。それをもう一度くり返すともさか。
 ・・・・。そんなこんなところでいちいち泣いた。
 りょうくんのお父さんを捜してるところで、山本太郎が大声で叫んだのを、小林がたしなめる。「そんな大声出さないの。あんたは山男じゃないんだから」という台詞。NHKの「氷壁」をあきらかにふまえている。などの小ネタがところどころにはさまれていて、けっこう笑えるところもあるのだが。
[PR]
by nyoirin | 2006-02-19 02:04 | 映画・ドラマ
 ああ、またしてもアマゾンでポチッとしてしまった〜!いけない、いけないわ!頭ではわかっているのに、ゆ、指ぐぁっ。
 「のだめカンタービレ」の第14巻が出たって、知ってしまったんですもの。続きが読みたくないはずが、あるわけないぢゃないですかぁー!こんなに毎日どこにも出かけられなくて、ずっとこうして同じ椅子に座り続けていて、私に、どうしろと言うの?!私に、耳からだけの「音」だけで生きてゆけとでも?無明の谷を彷徨うだけの、底辺の一沙門の、一比丘尼の私は、如来さまのように音や香りだけでは到底生きてゆけない生臭者なんですぅ〜。
 「のだめ〜」14巻のほかにハイフェッツのバッハ無伴奏ヴァイオリンのCDと、河合隼雄の「コンプレックス」(岩波新書)も買ってしまった。そ、そしたらまた、「おすすめがありま〜す」が、勝手にな、なんと「炎の英雄 シャープ」のボックスが発売されることを教えてくれた。知ってたけど、知ってたけど知らないふりしてたのにぃ。
 ショーン・ビーン。ああ、しょーんさまぁぁぁぁっ!
 初回限定?だからって、私はどうすれば・・・。買えって、ですか?ですが、そこまでの資金力が今の私には・・・。「のだめ〜」とか買っておいて、今さらお金がないなんて、しょーんさまぁぁぁ、と叫ぶ資格が私にはないとおっしゃる?ですよね、ですよね。(沈黙。ここで、しばし考える・・・)
 ああ、でもやっぱり、ない袖は振れないです。「のだめ〜」は千円札でおつりがきますから。やっぱり私はCATVの録画で我慢します。「炎の英雄 シャープ」。しくしくしく。
[PR]
by nyoirin | 2006-02-09 23:29 | マンガ・アニメ
 「フライトプラン」行きてぇ〜っ!「ミュンヘン」行きてぇ〜っ!「有頂天ホテル」行きてぇ〜っ!え〜ん、え〜ん、自宅軟禁状態で、どこにも行けないんだよーっ!近所のスーパーにも行く時間がない。どうかするとお風呂も入りそびれちゃうくらい。このままじゃ、だんだん非人間的な生活者になってしまうよ〜。
 もっと、文化に触れたいわ。暗黒山の本も、1ページも繰ることができないわ。うっすらとほこりをかぶる暗黒山が、空しくかなしい・・・。どうにか、ラジオのFMに耳を傾けることしか、今の私には許されない。あとCDね。私をなぐさめてくれるのは、あなたたちしかいないのだわ。
 生誕250周年のモーツァルトさま、いとしのバッハさま、いとしのベートーヴェンさま、ブラームスさま、ラベルさま、菅野よう子さま、etc.etc.・・・たちだけが、今の私を癒し励ましてくれるのだわ。
[PR]
by nyoirin | 2006-02-08 16:04 | 音楽

2015.4.1.より、身の回りの小確幸(小さいけれど確かな幸せby村上春樹)を見つけてつぶやきます。


by nyoirin