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『波子は自分の掘っている井戸とはすこし違った場所でこの女が掘っている井戸に感心し、---』
『---そういう人たちの間で、そういう人たちのようにやっていくと、そう、自分が違った人格になっていきます。そうです、強靱さと虚無とが相接しているような。でも、それだけではありません。さらにその先へ、いつのまにか行っています。
 波子はあれほど部屋探しをしたにもかかわらず、部屋など見つからなくてもいいのだ、と気がついた。そう思う自分に、変わってしまっている。』

 成就とは、欲しかったものを得ることではなく、欲しくなくなることだ、と、昔聞いたことがある。

 初版は’82年になっている。四半世紀前だ。今またこうして久しぶりに読み返してみると、まだずいぶん文学的で美しい表現がここかしこに見られる。最近の彼女の書いたものには、それらがほとんど削ぎ落とされていて、もっと心の奥底の風景を直接取り出したような、簡潔で具体的な表現になっている。だからといって、目に見える世界のことを扱っているのではないので、わかりやすいわけではないのだが。

 ここ2週間ほど、ある同じようなタイプの方々とお会いすることが続き、少々ヘばり気味だった。みな、私の最も苦手なことを私にすることを、無意識下で私に強要するのだ。私にとってそれは、とても努力のいることだった。あの手この手を駆使して、あらゆる方面からそれをやりつくしたと思っても、また振り出しにもどって、最初からやり直しをしなくてはならないことも、しばしばだった。
 
 果たして、このことには、意味があった。

 この先に、私が目指すべきことがあった。この道の先を、突き抜けると、きっとそれはあるらしい。彼女が、私が一方的に偉大な友と呼ばせていただいている彼女が、そこに通じる道の先を歩いているらしいと、わかるから。
 彼を失った私には、今や彼女しか、残されていない。けれども、幸いなことに、「それが彼女である」と示してくれる人はいる。その人も、きっと偉大な友の一人に違いない。

 私は、なんてラッキーなんだろう。道標を失ったと思ったが、道標はそれひとつではなかったのだ。それまでにいただいたものもある。持ってゆくことを許されたものがある。捨てようにも捨てられないものではあるが。
 これを頂いて、この道標に従って、歩いてゆくことが、私にはできるらしい。しかし、結局は同じこと。深い雪の積もったアルプスに近い山道を登って、夜のミサにあずかることも、梅雨の半ばの蒸し暑い近所のアスファルトの道を下って、家族を迎えにいくことも。
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by nyoirin | 2006-10-31 18:06 | 本・読書

秋の後発ドラマ第1回

 「役者魂」は、何故か画面に集中できなくて、2回とも見るはなしに見てしまい、なんとなく流れているような感じで過ぎてしまった。何故だろう?藤田まことがシェークスピア俳優に見えないというのが、原因かもしれない…。

 「家族〜」は、久しぶりの竹内豊。しかも、普通の人の役。まだ2回目は録画したままで観ていないのだが、1回目を観たところでは、なかなかよい滑り出しだったのでは。渡はさすがで、「しんちゃん」と呼ばれるには存在感ありすぎだが、そこがいいのだろう。この先この二人がどう人間関係をからめてゆくのかを、見守ってゆきたい。

 「魂萌え!」は、原作を読んで、なかなか面白かったので、観た。昨日が2回目。全3回のようなので、原作のいろいろな部分をだいぶ端折ってあるようだ。原作にあった、カプセルホテルでの老女との細かいあれこれや、死んだ夫のそば打ち仲間の男性陣と自分の高校時代の同級生の女性陣とのからみあいなどは、どうもドラマではカットされているようだ。昨日までに、話がどんどん進んでいるので、彼女が夫を亡くしたあと、一人で生きてゆく上で、だんだんと変わってゆくのが、容易な感じを受ける。もっとちゃんと1クール使って作ってくれたらよかったのにな〜、と思うが、そうするとこれだけの出演者を拘束するのは時間的にもギャラ的にも大変なのかしら?

 「魂萌え!」の裏で「たったひとつの恋」をやっているわけだが、録画は「魂萌え!」のほうをしているので、オンエアで「たった〜」を観ればいいのだが、昨日ははじめそうしていたのだが、何故か観続けられなかったのだ。大好きな亀ちゃんが、映ってるのに。彼が、ためいきついて「俺たちとは、住む世界が違うんだよ」なんて言ってるのに、耐えられなくなっちゃった。綾瀬はるかだって、嫌いじゃないのに。戸田恵里香だって、ずいぶん好きなほうなのに。たぶん、こういう設定の「身分違いの恋」に、興味が持てないんだと思う。でも、「魂萌え!」が終了したら、また観ることは観ると思う。たぶん。それは北川だからだけど。北川さーん!頼むよー!
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by nyoirin | 2006-10-29 10:28 | 映画・ドラマ
 今日までに第一回の放送があったドラマの感想をば。
 「僕の歩く道」。まずまずの滑り出しではないでしょうか。香里奈がいい感じです。「かばちたれ」のときから好きなので、少しえこひいきしてるかも。続けて観るつもり。
 「14才の母」。またまた苦しい学校生活を送っているらしい志田未来。室井滋がめずらしい役回りなのでは?来る若い二人の困難な道が見える。観続けるのが、辛くなってしまうかも。
 「だめんず・うぉーかー」。う〜ん、一度途中で観るのやめようかと思ったが、我慢してとりあえず最後まで観ることにして、観た。宮迫がブルースって、ちょっと無理がある気がした。これは「たったひとつの恋」とも共通することだけど、全ての女性がみんながみんな『金・地位・名誉』を持ってる男性を躍起になってつかまえようとしてるのだという前提なのは、あまりにも紋切り型過ぎるのでは?世の中こんなにも<金・金・金>なのだろうか?なのだろうな〜…、なんだかもう飽きたなー、そういうの。紀香ねえさんをもう少し観ていたい気もするので、気が向いたら、次も観るかも。
 「セーラー服と機関銃」。全く期待していなかったのだが、意外と面白く観てしまった。堤くんがいいね。あと中尾、田口などの子分らもいい。次も観ちゃいそう。
 「アンナさんのおまめ」。っだめだ〜っ!これこそ途中で観るのをやめてしまった。「白鳥麗子」「音無かれん」が好きな私としては、ちょっとは期待していたのだが、その二つとどこが違うのか?!って、ベッキーだよな〜。全然ダメじゃん、ベッキーっ!本人はそんなつもりはないのだろうと思うが、なめてんじゃないの?演技ってものを。次回は絶対観ないと思う。
 「たったひとつの恋」。北川悦吏子には、自然と厳しくなってしまう。まだまだこんな程度では許されない。と言いつつも、次回も観るでしょう。しかし、「だめんず〜」同様、あまりにステレオタイプな設定にまずちょっと閉口。この配役だと、戸田恵梨香も亀ちゃんを好きになって、その戸田を平岡祐太が好きになって、同一回りの片思い片思いの…、(これじゃ田中くんが余っちゃうじゃん、かわいそう!っていうのもよくあるパターン)になってゆくのかな〜?な、感じ。予想を裏切って欲しいです。唯一、余貴美子がすんごくいいわ〜。
 「鉄板少女アカネ!!」。これもあまり期待していなかったのだが、他に観るものがなかったので観た。まあ、観られたかな。陣内のこういうノリの役は好き。「天童世死見」みたいなね。また博多弁でやってくれるともっといいんだけどな〜。それにしても、こういう「グルメ」ものって、味の勝負とかになると必ず「一週間後に!」って、言うのはなぜ?もとが週刊誌とかに連載されてたからかしら?「美味しんぼ」とか「味一もんめ」とか、みんな同じこと言うでしょう。
 「のだめカンタービレ」。予想外に良かった。観るの恐かったんだけど。上野も玉木も一応合格。ハードルの高さのわりに、がんばってると思う。よしよし。モーツァルトの2台ピアノを発表するくだりでは、けっこうぐっときてしまった。竹中ミルヒーの評価は保留。まだ、よくわからない。ここ一番というときに、ものすごくかっこよくなってくれたなら許すつもり。その他の、いずれライジング・サン・オケのメンバーになる面々のキャスティングは、なかなかよろしいんじゃないでしょうか。次回も期待。

 今夜の「役者魂」以下の感想は、また後日書かきまーす。
 
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by nyoirin | 2006-10-17 16:54 | 映画・ドラマ

引用と暗喩

 私は、頂点だけでよかった。だが、当時、彼というパイプを通さなければ、あるzoneに入れないと、未熟だった私は感じていて、だから、なかなか踏み出せずにいた。離れることを、夢想しつつも、その場に留まり、状況を少しでも良い方向に変化させることができるようにと、いろいろと試みた。どんなに誤解され、濡れ衣を着せられようとも、そこに留まらなければ、頂点を見失う。
 
 だが、一冊の本が、私の背中を押すことになる。
 私もまた、あの神父に似た彼から(私も彼を通して頂点と言うべきか?)、何年にもわたって果てしなく豊かなものを教わった。この目に見えない富をいただいて、Tのように軽々とは言えないまでも、私も私なりに細々と、濁流から飛び立ち、出発した。無限大の、そしてもしかしたら、無限小の、「充満」した「空」へ。そしてTの言う「苦痛の谷」であるところの「無明の谷」を、私も行く。
 私の魂は、Tのように、飛び立ってしまっているのだろうか?

 私はこちらへ来て、「あたりまえ」こそが「ありがたい」ことだということを、思い知ることができた。「今」「ここ」が、どんなにありがたく、奇跡であることか。毎日が、こんなにも幸せである。表層の黒猫は相変わらずだが、いくぶん大人しくなっているようだ。涅槃寂靜の頂点が、私たちの20兆の細胞のひとつひとつに宿っている。解脱しているという彼の方だから、涅槃で永遠の午睡を楽しんでいらっしゃるはずだ。ならば辺満とはこういうこと。ひとつにとつに存在すると同時に、全てを内包している。

 私はまた、あらためて、その実感に向けて、一歩を進める。「禹歩」として。
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by nyoirin | 2006-10-07 00:19 | 日記

カフェ本

 私は、東京の喫茶店育ちである。コーヒーが何より大好きというのも、もちろんあるのだが、「喫茶店」というものが大好きなのだ。一人で、コーヒーを飲みながら、好きな本を読んだり、思いついたことをノートに書きとめたり、外の景色や道行く人々を眺めたり、さっきのノートに今度はいたずら描きをしたり、好きな音楽に耳を傾けたり(これは私の意志ではなく、お店のチョイスに従うことになるのだが)…、なんてことをしながら、何も制約がなければ一日中だっていられちゃう。学生時代はよくしたなあ。なかでも名曲喫茶は、私の必需品だったのだけれど、今ではほとんど見かけなくなってしまった。
 最近は、こうして喫茶店で過ごすことは、めったになくなってしまった。近くに私のこうした嗜好に適したカフェがないということもある。また、一日中制約なく過ごすことが出来ないということもある。学生じゃないんだから、仕方ないよね。それに、何処かの町へ、仕事で定期的に出かけることがなくなったということもある。コンピューターとインターネットで仕事ができるようになってしまったせいだ。
 そのせいか、今では自宅のリビングの一部が、喫茶店のようになっていることに、最近気がついた。夏の大掃除のさきの、私が無意識のうちに目指していた方向が、どうやら「カフェ」だったのだ。だから、ごくたまにだが、豆を手動のミルで挽いて、ちゃんとコーヒーをいれて、お気に入りのCDをかけて、その「カフェ」化したコーナーで、本を読んだりするようになった。
 そんな中でも、まだ私は、素敵なカフェを夢想する。だから、カフェ本を見つけるとついつい買ってしまう。そのカフェのようなコーナーで、カフェ本をぱらぱらとめくり、いつかそのカフェに行ってみたいと思いながら、コーヒーをすすることが、近ごろの私のささやかな楽しみである。

 この本は、ブログで知り合った川口葉子さん(リンク・エキサイトブログのなかの「屋上者の島へ」参照)が最近出されたカフェ本だ。私の小さなカフェ本コレクションに加わった一番新しい仲間だ。この中からも、必ず行ってみたいと思うカフェがふたつ見つかった。実は、ぜひ行ってみたいカフェ・リストはどんどん長くなるばかりで、なかなか行くことができないのだが。
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川口葉子著「カフェの扉を開ける100の理由」/情報センター出版局¥1600
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by nyoirin | 2006-10-06 16:31 | 日記
 ちょっとー!「アンフェア」ってば、なんなのよーっ!
 本放送のときの真犯人が、安藤だったでしょー?安藤だけはやめてって、言ったのにぃー!あのとき、最後に残った怪しい3人が、安藤、薫ちゃん、安元刑事。で、一番悲しい安藤が真犯人だった。
 で、今日のスペシャルでは、なんと安元刑事が・・・?!流石に今回は、途中でわかったけどね。Y’s failのYが、安元じゃなくて雪平パパだってことも。でさ、「続く」なわけじゃない、この調子じゃ。オダギリ・ジョーじゃあるまいし。来年春のロードショウに続くなわけなのかしら?
 そうすると、今日のラストに蓮見が会っていた男は、じゃあ誰なの?って話だけど、もう一人しか残ってないじゃないの、そうしたら!
 今度こそ、やめてよね。お願いだから。もし、薫ちゃんだったら、もう、雪平の周りには、誰もいなくなちゃうじゃない。それこそアンフェアだよーっ!アンフェアなのは誰だ?って、お前だー!フジテレビ!
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by nyoirin | 2006-10-03 23:41 | 映画・ドラマ
 「結婚できない男」。私としては、最終回、夏美と桑野に、もぉ〜っとベタにラブラブな感じを出してもらっても良かったんだけど、まあ、大人だからあれくらいちょっと抑えめで、丁度良かったのかもしれない。自分でも気づいているんだか、気づいていないんだか、気づいていても認めたくないんだかな、夏川結衣がとっても上手かった。やっぱりこの人いいわ。もちろん阿部ちゃんも、微妙な表情作りが、ラストには冴え渡って、素晴らしかった。金田に同業者だと知られ、話しかけられたら、金田のことを、「なんだ、いいやつじゃん」みたいに言うところが微笑ましかった。他があまりにも不作の中、今期最高の作品だった。唯一楽しませていただきました。

 「花嫁は厄年っ!」。まあ、予想の範囲内の最終回ではあったが、後半結婚後の何年間かを入れたのは、良かったと思う。 
 結婚式当日の、岩下志摩演じるお母さんが、もしかして死んじゃったの?!というシーンが、アニメ「ぼのぼの」のアザラシだかトドだかクジラだかの長老において、まさに同じネタがあったので、思い出して笑ってしまった。
 新幹線でいつも会うえびす演じる男が、実はやっぱり桃子の夫だったといのも、良かったし、小沢真珠演じる香里も根っからの悪人ではなかったところが、かわいくて良かった。まあまあ、楽しめたかな。

 番外編「純情きらり」。何も桜子を死なせる必要はなかったのでは?出産したら、新薬もどんどん験せるだろうから、きっとそれでどんどん回復して、みんなとともにいつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ---、と、お伽話みたいに終わるんだと思っていたのに・・・。そのほうが、明るい終わりかたで、ずっとよかったのになー。と、個人的には思った。だから、あおいちゃんの笑顔がずうーっとアップになっても、感情移入ができなくて、私にしてはめずらしく、最終回泣けなかった。
 
 で、秋の新ドラマ。放送開始順で、「僕の歩く道」つよぽん主演の、僕〜シリーズ3部作の完結編。今回は自閉症の青年らしいので、やや警戒気味。でも、第一回は押さえる。
 「14才の母」。テーマに新鮮さは感じられないが、「女王の教室」の和美ちゃん役の志田未来が主演なのと、脚本が井上由美子なので、いちおう観る。
 「だめんず・うぉーかー」。久々の紀香ねえさん登場なので、観るつもり。紀香ねえさん、好き。この人にはいつか、こてこての大阪弁キャラを演じてほしいと思っている。
 「アンナさんのおまめ」。「時効警察」の枠。ベッキー主演というのが、ちょっと弱い気もするが、原作が鈴木由美子なので、いちおう観てみようと思う。
 「たったひとつの恋」。きっとまた、今の北川悦吏子には失望させられてしまうんだろうと、思いつつも、やっぱり最初は観ずにはいられない。ああ、北川、されど北川。今回は、大好きな亀ちゃんだし、月9のリベンジを果たしてほしいし。ヒロインも綾瀬はるかだし、嫌いじゃないし。
 「のだめカンタービレ」。千秋は玉木くんだったのね。CMコンビじゃない。コンピューターの。上野とこの二人は、まあ良しとしよう。だが、私の一番の心配は、ミルヒーを竹中直人が演ること。きっと竹中節炸裂なんだろうと思うと、今から食欲が減退する。きっと、ああやってこうやって、ああ動いてこう叫んで、って、想像できちゃうもん。それにきっと私のこの想像、ほとんど正解だと思うもん。だとしたら、そんなミルヒー許せない!どうか、私のこの想像を裏切って欲しいと、心から願うばかりだ。
 「役者魂」。脚本が君塚良一、主演が松たか子なので、いちおう押さえる。他にも好きな森山未来くんや、濱田マリ、香川照之も出るので、やや期待。
 「家族 〜妻の不在、夫の存在〜」。金曜の夜9時からのこの枠は、その昔、TBSが金ドラの前に少し若い層をターゲットにしたドラマをやっていたが、今は金スマになってしまって久しい。週末の私はそれで少しドラマ欲求不満状態だったのだが、今期はそれが少し解消されそうで、嬉しい。竹野内豊は、けっこう好きだし。
 「魂萌え」。原作を読んで、なかなか面白かったので、観るつもり。あの四人の女友達たちを、それぞれがどう演じてくれるのかが、楽しみ。高畑淳子は、ドラマ初主演かしら?仁科亜季子、小柳ルミ子、木野花、がその友だちたちで、愛人が高橋恵子らしいので、ふむふむなるほど・・・。

 以上、とりあえず、こんなところでしょうか。毎年のことながら、ドラマが一番盛り上がるこれからの季節!楽しみだわ〜。しっかり、観るわよー!

 
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by nyoirin | 2006-10-03 17:29 | 映画・ドラマ

2015.4.1.より、身の回りの小確幸(小さいけれど確かな幸せby村上春樹)を見つけてつぶやきます。


by nyoirin