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『1Q84 BOOK3』読了。

村上春樹氏に、心から「ありがとう!」と言いたい。
本当にありがとう。

もちろん世の中にはもっともっと辛く厳しい状況にある人がたくさんいるだろう。そんな方々に比べれば、私の今の状況は、まだまだ恵まれているほうだと思う。
でも、へっちゃらな状況だとも言えないと思う。
そんな、状況にあり、かつ自分でも気づかずに、危ないところまで来ていた私を、この本はすんでのところで救ってくれた。
それは、命の恩人にも値する。


それと、もう一つ。
長年村上春樹の小説を読んできて、ずっと疑問に思っていたことがある。
それは、京都の(高名らしいが、それがどこなのか私は知らない)寺の跡取り息子として生まれながら、そして、このような小説をずっと書いてきていながら、なぜ、宗教を信じるに至らないのか?
『ねじまき鳥クロニクル』のための取材でノモンハンを訪れたとき、宿泊したホテルで不思議な体験をしたという。そのことがなんだったのか、河合隼雄に尋ねてもいる。
それは、必ずしも仏教でなくてもいい。お寺に生まれたからこそ、仏教を拒否することだってあることも理解できる。
しかし彼は、ブディストでないからといって、クリスチャンでもない。ほかのどの宗教も信じていない。なにゆえ?と私は思っていた。
あくまでも、「私は」ね。

そのはっきりした答えを、私はこの『1Q84』から知ることができた。
実は、最初から村上春樹は、それを常に物語として書き続けてきたのかもしれない。ただ、私が、それをそこから読むことができなかっただけかもしれない。きっとそうなんだと思う。
その物語の数々を、今思い出してみると、確かに、そこには常に書かれていたような気がする。たぶんこれから、私はその確認をしてゆくだろう。
また、『1Q84』で初めて、私がその答えを見出すことができたのは、私のほうに、ある意味変化あったからかもしれないとも思う。

とにかく、私は、知らないうちに性懲りもなくまた崖っぷちまで来てしまっていて、危ないところをこの物語に救われたのだ。

感謝の気持ちを表す言葉が、私には見つけられない。


拝啓 村上春樹さま

このたびは、本当にありがとうございました。
心から、感謝いたします。
本当に、本当に、ありがとうございました。

私は、貴方とほぼ同世代で、しかも同じ国語を話す者としてこの国に生まれたことを、とても幸せだと思っています。
少なくとも、貴方の書いた物語に、私が出会わなかったら、私の人生は今とは違っていたと思います。それもおそらくかなり。

私の読者としての全くのわがままな願いですが、これからも貴方様がますますご健康で、さらなる物語を書いてくださることを、願ってやみません。

                          敬具
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by nyoirin | 2010-04-19 18:13 | 本・読書

2015.4.1.より、身の回りの小確幸(小さいけれど確かな幸せby村上春樹)を見つけてつぶやきます。


by nyoirin