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崖の上のポニョ

なんなんさんの、熱い推薦を受け、先週観にいってまいりましたよ〜。

久しぶりの、宮崎ワールド全開の作品でしたね。

わたくしの正直な感想を申し上げましょう。
観ている途中から、私には、「おかあさーん、おかあさーん」という叫びに似た声が、ずっとずっと聞こえ続けていました。
日本男児は、みーんなみーんなマザコンだわ!と思った次第です。

そして『エヴァ』に思いを馳せ、庵野はしっかり駿先生を継承しているのね、と思い、方や押井はも少し違うわ、と思った。
『スカイ・クロラ』をまだ観ていないので、なんとも言えないが、NHKの特別番組で、押井は今回『スカイ・クロラ』を作った動機はただひとつ--「今、人生のスタート地点に立った若い人たちに言いたい。つらいだろ。俺もつらかったから、わかるんだ。でも今人生の二周目に入ったと思っている俺から言わせてもらいたい。でも、人生すてたもんじゃないぜ。と」と、はっきり言った。
ずいぶんはっきり言うなと思った。
『攻殻』ファンとしても、これはなんとしても観に行かなくてはと、思った。

奇しくもその翌日だったと思う。同じNHKで『プロフェッショナル』のゲストが宮崎駿だった。
宮崎も、初めてじゃないだろうか、母親のことに言及していた。
母親との関係を、ずっと抱えてきたことを。人を楽しませることができなければ、自分は存在している意味がないのではないかと、ずっと思ってきたと。詳しく語ることは、拒んでいた。自分でも「このことを追求していくと、精神分析的な、精神医学的な話になっていくんだろうと思うけど。これ以上は、あまり言いたくない」と言っていた。
作中のトキさんは、その母親がモデルだと言っていた。

ある意味カミングアウトしたと言えるのではないだろうか。
そのせいか『ポニョ』には、前作『ハウル』やその前の『千と千尋』に比べ、わからないままにしておくというところがなかった。
とてもよく出来ていたと思う。
強く求める気持ちが、津波をも起こすこと。純粋な故に、それが地獄の蓋ではないがこの世界の、本来だったら開きはしない扉を開けてしまったこと。それを元通りに閉めるには、開けてしまった者が、『法』に従って(?)それなりの責任をとらなくてはならないこと。
納得。

では、母としてはどうすれば良いんでしょうね。

守るけれど、取り込まない?
愛するけれど、構わない?

最近、典型的な母と息子一体化現象の真っただ中に放り込まれた感があるので、ことさら、こんな風に感じてしまったのかもしれない。
私は、それではいけないと思いつつ、当事者が、あまりにもみんな気づいていないので、もしかしたらかく言う私こそ、全く気づいていないのでは?!と、疑心暗鬼に苛まれるのであった。

ああ、心してかからねば。
by nyoirin | 2008-08-12 18:17 | マンガ・アニメ

2015.4.1.より、身の回りの小確幸(小さいけれど確かな幸せby村上春樹)を見つけてつぶやきます。


by nyoirin